アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

2024年のマーベル邦訳発売予定タイトル

書店で毎年恒例の小プロさんのアメコミカタログ2024−2025年版を貰ってきたのですが、今年発売予定(一部2025年予定のものもありますが)のマーベル邦訳タイトルが熱かったので発売予定日順にまとめてみました。

発売予定 タイトル
2024/1/25 X-MEN:トライアル・オブ・マグニートー
2024/1/25 ストレンジ・アカデミー:ウィッシュクラフト
2024/2/22 インフェルノ
2024/2/22 アイアンマン2020:ロボット・レボリューション
2024/2/22 スパイダーマン2099:エクソダス
2024/3/14 スパイダーパンク:バトル・オブ・ザ・バーンド
2024春 ザ・ミステリー・オブ・ウルトラセブン
2024/4/25 X・ライブズ・オブ・ウルヴァリン/X・デスズ・オブ・ウルヴァリン
2024/4/25 デッドプール VS. ウルヴァリン
2024/4/25 ベスト・オブ・デッドプール
2024/5/23 エクストリーム・ヴェノムバース
2024/5/23 ベスト・オブ・ヴェノム
2024/5/23 X-MEN (1)
2024/6/20 スパイダーマン/スパイダーグウェン:シッティング・イン・ア・ツリー
2024/6/20 ピーター・パーカー&マイルス・モラレス:スパイダーメン・ダブル・トラブル
2024/6/20 ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・キャプテン・アメリカ
2024/7/18 スパイダーバース:スパイダーゼロ
2024/7/18 アメイジングスパイダーマン Vol.1:ワールド・ウィザウト・ラブ
2024/7/18 ベスト・オブ・アベンジャーズ
2024/8/8 X-MEN (2)
2024/8/8 スパイダーマン:レイン
2024/8/8 ヒーローズ・リボーン:アメリカズ・マイティエスト・ヒーローズ
2024/9/12 イモータルX-MEN Vol.1
2024/9/12 アメイジングスパイダーマン Vol.2:ニュー・シニスター
2024/10/24 X-MENヘルファイア・ガラ・イモータル
2024/10/24 デアデビル Vol.2:ノー・デビルズ、オンリー・ゴッド
2024/10/24 マーベルズ・スナップショット
2024/11/12 A.X.E.:ジャッジメント・デイ
2024/11/12 アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ
2024/11/12 デーモン・ウォーズ
2024/11/24 A.X.E.:ジャッジメント・デイ・コンパニオン(流通限定)
2024/12/19 X-MEN (3)
2024/12/19 アメイジングスパイダーマン Vol.3:ホブゴブリン
2024/12/19 ストレンジ・アカデミー:ファイナル
2024/12/21 イモータルX-MEN Vol.2
2024/12/21 アメイジングスパイダーマン Vol.4:ダーク・ウェブ
2025 スパイダーマン:エンド・オブ・スパイダーバース
2025 ベスト・オブ・X-MEN
2025 ブレイド:マザー・オブ・イービル

まず、クラコア期のX-MENはヒックマン以降も続きそうなのは良かったです。ジャッジメント・デイ以降も続くといいのですが…。また、スパイダーマン関係の展開もマイルスやグウェン含めてガッツリ続いていくようです。昨年はノワールやスパイダーハムの単体作品の邦訳が出ましたが、今年はミゲルやスパイダーパンクが出るようです。映画スパイダーバースの続編も決まっていますしね。

人気のベスト・オブシリーズはデッドプール、ヴェノム、アベンジャーズ、そして2025年にはX-MENが予定されているようですが、収録エピソード数が4-5本と少なめなのが若干気になるところです。また、恐らくMCU映画にあわせてのチョイスかと思いますが、カーン・ダイナスティは肝心のMCU側が謎な状況になってしまっており、カーンではなくドゥームがヴィランになるのではとも言われていますが果たしてどうなるのでしょうか…。

なにはともあれ2024年も魅力的なタイトルが多いので楽しみですね。個人的には今年も邦訳はX-MENのシリーズを中心に追いかけていきたいと思います。

Civil War: Ms. Marvel

以下のエピソードが収録されています。シビルウォーのタイインということになっていますが、実際にタイインしていたのはMs. Marvel #6-8までのようです。

  • Ms. Marvel #6-10
  • Ms. Marvel Special #1

超人登録法に賛成していると見せかけて反対派のヒーローたちを手助けしていたジュリア(スパイダー・ウーマン/アラクネ)がシュラウドと共に逃亡し、キャロルはパートナーのワンダーマン、自身が教育係となったアラーナ(アーニャ)と共にそれを追います。最終的にシュラウドもジュリアも捕まえることに成功するのですが、ジュリアの娘レイチェルから母親を引き離すことになり心を痛めるアーニャだけでなく、表面上は強気のキャロルも葛藤があったことが描かれます。

また、#9-10では過去に敵対していたローグを殺そうとする別次元のキャロルが現れ激しい戦いを繰り広げるのですが、こちらはキャロルが勝手に混乱して勝手に自己解決している感じでよくわかりませんでした。Ms. Marvel Specialはキャロルが執筆したバイナリーの小説がギャビン(ストーリーテラー)によって再生されてしまい…というワンショットのショートエピソードで、こちらはなかなか面白かったです。

ヴィレッジブックスさんの邦訳版は現在では入手が難しそうですが、ブリスターコミックスさんではまだ新品が購入できるようです。

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Civil War: Iron Man

アイアンマンのシビルウォータイインで、以下のエピソードが収録されています。4話なのでボリュームとしては控えめですね。

  • Iron Man/Captain America: Casualties of War
  • Iron Man #13-14
  • Civil War: The Confession

Iron Man #13-14は当時のThe Invincible Iron Manシリーズの最終エピソードで、超人登録法を推進するもののまだ迷いの見えるトニーに対してハッピーが後押しをするのですが、その後ハッピーはスパイマスターに襲われ重傷を負ってしまいます。また、トニーはその後キャプテン・アメリカと1対1の対話を試みるのですが、ここではキャップ派のメンバーに横槍を入れられてしまいます。#13の序盤ではアイアンスパイダーのコスチュームでトニー側にいたスパイダーマンが、#14のこのシーンではキャップ側におり、一度キャップ陣営に加わったパニッシャーとも仲違いをした後の様子です。

このエピソードでトニーは自分がヒーローたちを率いていく決意を固め、超人登録法の推進、そしてS.H.I.E.L.D.長官への就任へと繋がり、Invincible Iron Manシリーズは#15からDirector of S.H.I.E.L.D.シリーズにリニューアルするようです。

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なお、Iron Man/Captain America: Casualties of Warはシビルウォーの最終決戦前にトニーとキャップが旧アベンジャーズマンションで過去を振り返りながらの対話、Civil War: The Confessionはキャップの暗殺後、逮捕後それぞれのトニーとの対話が描かれています。アベンジャーズマンションでの対話はIron Man #14での対話と同じくシビルウォーでの一度目の戦いの後のようですが、前後関係がやや気になるところです(#14の出来事のあとだったらここまで穏やかな対話にはならないのではないかと思いますが、多くの作家が関わる大作クロスオーバーなので細かいことを気にしてはいけないのかもしれません…)。

もちろんこちらもヴィレッジブックスさんから邦訳が出ていました。

ブリスターコミックスさんやヴァースコミックスさんではまだ新品が入手可能なようです。

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マーベル グラフィックノベル・コレクション(51) パニッシャー:ウェルカムバック・フランク Part 2

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第51号はパニッシャー:ウェルカムバック・フランク Part 2でした。

こちらは第24号として発売されたパニッシャー:ウェルカムバック・フランク Part 1の続編となります。前巻で重傷を負ったフランクがアパートの住人たちの協力も得て回復し、マー・グヌッチへの復讐を果たします。前巻では絡みのなかった模倣者たちや、フランクを追っていた刑事たちにもきちんとオチが付きます。

アパート住人のジョアンやアホのデイブが予想外に重要な役回りを果たす一方、模倣者たちは終盤まで特にフランクともギャング一味との絡みもなく、ちょっと蛇足だった感はありましたが面白かったです。

しかしマーベル グラフィックノベル・コレクションではいつものことですが、前巻から1年空いてしまうのは辛いですねw

Civil War: Front Line

シビルウォーのタイインですが、やや変わり種で、ジャーナリストの視点から見た物語となっています。

お馴染みのベン・ユーリックとサリー・フロイドの2人が主人公となっているのですが、実はナイトロの爆発から生き延びていたスピードボールのその後(ペナンスとなったスピードボールはその後オズボーン率いるサンダーボルツに参加するようです)など、複数のストーリーが時に交わりつつ並行して進むという複雑な構成で、なおかつリーフで全11冊とシビルウォーのタイインの中でも随一のボリュームです。セリフも多くて読むのは結構大変でした。

大ボリュームのため、邦訳では2分冊で出ていたようです。

Civil War: Wolverine

ウルヴァリンの個人誌でのシビルウォーとのタイインで、超人登録法推進のきっかけとなったスタンフォードでの事件を起こしたナイトロを追うウルヴァリンの物語です。

前半はナイトロ、後半はダメージコントロール社とそのCEOウォルター・デクラン(ナイトロに力を増幅させるためのMGHという薬品を渡し、被害を起こした上でその再建を受注するという不正を行なっていた)を追うことになるのですが、ウルヴァリンは単独行動しており、トニーやネイモアとの絡みはありますが、シビルウォー本編とストーリー中での連動はほぼありません。なので本作に関しては読まなくてもシビルウォー本編の理解には影響ないかと思います。

もちろんこちらもシビルウォーの邦訳展開の一環としてヴィレッジブックスさんから邦訳が出ていました。

マーベル グラフィックノベル・コレクション(50) フォールン・サン:デス・オブ・キャプテン・アメリカ

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション、全100冊の折り返しとなる第50号はフォールン・サン:デス・オブ・キャプテン・アメリカでした。

こちらはシビルウォー後にデス・オブ・キャプテン・アメリカキャプテン・アメリカが暗殺されてしまった後の外伝的なエピソード集となっており、以下の5つのエピソードが収録されています。ライターはジェフ・ローブですが、アーティストはエピソード毎に異なっており、レイニル・ユーやジョン・ロミータJrなど豪華なメンバーです。

  • Denial (Wolvarine)
  • Anger (Avengers)
  • Bargaining (Captain America)
  • Depression (Spider-Man)
  • Acceptance (Iron-Man)

以前ヴィレッジブックスさんから通販限定で邦訳が出ていたようですが、そちらは上記のFallen Son: The Death of Captain America #1-5のみ収録されているのに対し、今回のアシェット版は導入としてデス・オブ・キャプテン・アメリカのキャップ暗殺シーンが収録されています。

ヴィレッジブックスさんから出ていたデス・オブ・キャプテン・アメリカ〜リボーンまでの一連のキャプテン・アメリカ邦訳シリーズのうち、本作は特に入手が難しい作品だったので今回アシェット版で邦訳が出たのは有難いところです。