アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

ベスト・オブ・アベンジャーズ

小プロさんのベスト・オブシリーズの新作は待望のアベンジャーズでした。以下の5つのエピソードが収録されていますが、Avengers #198と#199は2話連続なので実質4エピソードですね。

  • Avengers Vol.1 #1 "THE COMING OF THE AVENGERS!"
  • Avengers Vol.1 #53 "IN BATTLE JOINED!"
  • Avengers Vol.1 #198 "BETTER RED THAN RONIN!"
  • Avengers Vol.1 #199 "LAST STAND ON LONG ISLAND!"
  • AVENGERS/SQUADRON SUPREME '98 #1 "TO CHALLENGE A CHAMPION!"

今回はどのエピソードも王道な感じで面白かったです。第一話はアベンジャーズの誕生、二話以降はX-MEN、レッドローニン、スコードロン・スプリームとゲストも豪華ですし、最後のスコードロン・スプリームとのエピソード以外は60〜80年代初期の作品ですが、どのエピソードもバトル中心なこともあって読みやすいです。

付属の解説も充実しており、あまり馴染みのないスコードロン・スプリームのメンバーなどについてもフォローされていますし、掲載エピソード前後の動向についても触れられています(アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクションで出ているアベンジャーズ:バース・オブ・ウルトロンは本作に掲載されているAvengers Vol.1 #53直後のエピソードなんですね)。

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小プロさんの今後の刊行予定によるとX-MENのベストも予定されているようなのでそちらも楽しみです。

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マーベル グラフィックノベル・コレクション(71) インクレディブル・ハルク:サイレント・スクリーム

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第71号はインクレディブル・ハルク:サイレント・スクリームでした。

1990年頃のエピソードのようですが、この頃のハルクはお馴染みの緑色のハルクではなく、夜間だけ登場するグレーのハルクとなっていたようですが、ベティを守るために緑色のハルクを解き放ってしまいます。その後グレーのハルクと緑色のハルク、そしてバナー本人との間で本当の自分を巡っての内なる戦いが繰り広げられます。前半のドクター・ストレンジとネイモアとの共闘で緑色のハルク復活の兆しが描かれたり、リックを救出するためにスクラルと戦ったりと内容もなかなか盛り沢山です。

グレーハルク登場の経緯がいまいちよくわからなかったり(巻頭に補足はあるものの)、冒頭でドクター・サムソンを跳ね飛ばしたインパクト満点の謎のハイテク自動車については本作では回収されなかったりと若干モヤる部分はあるものの、これは当時のシリーズを切り出したものなので仕方ないところですね。そこそこ古い作品ですが、90年代のものは比較的読みやすいうえにクラシックな作品の発想の豊かさみたいなものも残っていて面白いですね。

マーベル グラフィックノベル・コレクション(70) ウォーロック Part 1

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第70号はこのシリーズでなければ絶対に邦訳が出ることはなかったであろうアダム・ウォーロックの単独作品です。

信仰集団ユニバーサル・チャーチ・オブ・トゥルースを追うアダムはその首魁であるメイガスが自らと同一の存在であると知り、メイガスを止めるための戦いに挑みます。途中からガモーラやサノスも参戦し、時系列的に本作よりも前の話であるライフ&デス・オブ・キャプテン・マーベル(こちらも本作と同じくジム・スターリンの作品でした)でのサノスの動向にも触れられています。

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クラシックな作品ということもあって読みづらいところがあるのですが、そもそもストーリー自体も結構複雑で理解が難しいです。ですが、アダムの葛藤や決意がよく描かれていて面白かったです。

メイガスとの決着が付き、ストーリー上はキリのよいところで終わりますが、この後Part 2に続くようで、一体どんな展開が待っているのか気になりますね。Part 2は第74号として11月に発売の予定なので比較的間を空けずに読めそうです。

New Avengers: Secret Invasion

マーベル グラフィックノベル・コレクションでシークレット・インベージョンを読んだので日本語訳もされているニューアベンジャーズのタイインを読んでみました。ヴィレッジブックスさんの邦訳ではNEW AVENGERS #38-47が1冊に収録されていたようですが、英語の単行本は2冊に分かれているようです。

内容としてはシークレット・インベージョンのサイドストーリー集で、本編では触れられていなかったスクラル側のストーリーや、ハウス・オブ・Mやニューアベンジャーズブレイクアウトまで遡って過去の出来事も実はスクラルが関わっていたという種明かしがされます。ただ、これはシークレット・インベージョンのストーリーを考えると仕方のないことですが、種明かしと言っても伏線回収というレベルではなく、当時真面目にシリーズを追いかけていた人ほど「今まで読んでたのはスクラルだったんかい!!」と突っ込みたくなってしまったのではないかと思いますw

ややマニアックな作品ということもあってか、邦訳もまだヴァースコミックスさんに新品の在庫があるようです。

マーベル グラフィックノベル・コレクション(69) シークレット・インベージョン

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第69号はブライアン・マイケル・ベンディスとレイニル・フランシス・ユーの二大巨頭による大作クロスオーバー、シークレット・インベージョンでした。

時系列的にはシビル・ウォー後の話で、スーパーヒーローたちがいつの間にかスクラルが化けた偽物に入れ替わっていたという単純ながら奇想天外なアイデアで、誰が偽物で誰が本物かわからないという展開が続きます。最終決戦では地球の危機ということで対立していたニュー・アベンジャーズとマイティ・アベンジャーズらヒーローたちに加えてフューリーやオズボーン率いるサンダーボルツやフッド一味なども協力してスクラルと戦います。このスクラル侵攻での失態でトニーは失脚し、代わりに功績を上げたオズボーンが権力を得てダークレイン〜シージへと繋がるようです。

アートはレイニル・ユーなのですが、最近のイメージとはちょっと違う感じもします(塗りの違いも大きいのかも?)

以前ヴィレッジブックスさんから邦訳が出ていましたが絶版になってしまっており自分も持っていなかったので、今回アシェット版で日本語で読めたのは有り難かったです。

X-MEN Vol.2:徒花

邦訳で追いかけ続けているクラコア期のX-MENシリーズの続刊です。

自身の死を隠してキャプテン・クラコアとして活動していたサイクロプスですが、ベン・ユーリックによってついにX-MENが不死であることが公表されてしまいます。ゲームワールドに乗り込んだり、ドクター・ステーシスの正体が明らかになったりと動きはあるのですが、正直話がわかりづらくていまいち盛り上がりに欠けるところがありますね…。まあ起承転結で言えば承に当たる部分かと思うのであまり盛り上がらないのは当然かもしれません。

この後は第二回ヘルファイア・ガラに繋がり、そこが大きなターニングポイントなりそうな気配ですが、果たしてどのような展開になるのでしょうか。

マーベル グラフィックノベル・コレクション(68) アベンジャーズ:ディフェンダーズ・ウォー

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第68号はアベンジャーズディフェンダーズ・ウォーでした。

突然石になってしまったブラックナイトを救おうとするディフェンダーズがですが、手を組んだドルマムゥとロキの策略により世界各地に散らばったイービル・アイを集めようとするのですが、ロキのさらなる暗躍によりディフェンダーズの行動を誤解したアベンジャーズがこれを妨害するというストーリーで、現在でも見られる複数誌で交互に展開される形式のクロスオーバーの元祖なのだそうです。

翻訳は相変わらずのクオリティですが、アベンジャーズディフェンダーズの各メンバーが各地のイービル・アイをめぐって基本1対1の対決を繰り返すという単純な構成ですし、分量も控えめなのでこれまでのクラシック作品と比べると読みやすいところがあります。ドルマムゥとの対決のあとにもう一悶着あるのも面白かったです。

しかし貴重な初邦訳作品なので翻訳はもう少しなんとかならないのかと毎回思ってしまいますね…。

Amazonだとすでに在庫がないようですが、アシェットの通販では購入できるようです。

www.hcj-shop.jp

書店でももう予約していないと入手困難かと思いますので、定期購読しておらず気になった号だけ買いたいという方はアシェットの通販を利用するのもよいかもしれません。550円の送料がかかってしまいますが、5500円購入で送料無料になるので3冊まとめて買えば送料無料になります。すでにアシェットの通販でも売り切れになっていたり取り扱い自体がなくなっている号があったり、15号より前の号はそもそも取り扱いがなくなっているようなので、欲しい方がある方は早めに確保しておいた方がよさそうです。