アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

Civil War: Amazing Spider-Man

今更ですが、シビルウォーのタイインを地道に読み進めています。

今回はシビルウォー本編でも重要な役割を果たすスパイダーマンのシリーズで、ストーリー的にはロード・トゥ・シビルウォーで超人登録法の成立にいったん時間稼ぎに成功したと思われた後、シビルウォー本編冒頭でのスタンフォードでの事件で状況が急変したところから始まります。当初は超人登録法に賛同するトニー陣営に付き正体を公表するピーターですが、その葛藤が描かれています。

シビルウォー本編ではゴライアスがクローン・ソーに殺されたことでトニー陣営を離れる決断をしたように描かれているピーターですが、こちらではむしろネガティブゾーンの監獄を見たことが大きな要因であったように読めます(読み返したところ、本編でもトニーとの戦闘時にネガティブゾーンへの言及はありましたが)。また、トニーとの戦闘の描写や、その後逃走中にジャック・オーランタンとジェスターにボコボコにされているところをパニッシャーに助けられるくだりがなく、ジョニー(ヒューマントーチ)からのメッセージを見てキャップに会いに行くなど、本編とはいまいち辻褄があわない部分もあります。

以下はヴィレッジブックスさんから出ていた邦訳版です。中古であれば現在でも入手はさほど難しくなさそうですが、シビルウォーのタイインはなにしろ数が多いので全部集めるのはなかなか大変そうです。しかし当時シビルウォーの邦訳でタイインを網羅した展開がされていたのは驚きです。そもそもシビルウォークラスの作品が出てこないというのもありますが、今後このレベルの水平展開はもう期待できないのでしょうね…。

マーベル グラフィックノベル・コレクション(49) ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・アベンジャーズ

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第49号はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・アベンジャーズでした。MCUでは大人気のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズですが、マーベル グラフィックノベル・コレクションでは全100冊中、本作が唯一のガーディアンズ・オブ・ギャラクシー作品のようです。

2013年〜2015年にかけてのブライアン・マイケル・ベンディスによるシリーズの1巻を邦訳したもののようで、アイアンマンもメンバーに加わっています。解説によると、MCUの映画版ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの成功を受けてベンディスが執筆したシリーズのようですが、本作は各キャラクターの導入的なエピソードに加えて本筋のストーリーもシリーズの序章という感じです。

映画のイメージ同様、現代的で痛快かつコミカルなところもあり、アイアンマンがキャプテン・ブリテンは強いのか?と聞かれて「いや、そんなに…」と答えたところは笑ってしまいました。あとグルートは一瞬で育ちすぎやろ!と思いました。本作を読んだだけだとピーターの父親であるスパルタク王がとてつもなくイメージが悪いのですが、続編も読んでみたいですね。

マーベル グラフィックノベル・コレクション(48) ファンタスティック・フォー:アソリテイティブ・アクション

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第48号はファンタスティック・フォー:アソリテイティブ・アクションでした。こちらは第11号のファンタスティック・フォー:アンシンカブルの続編となっており、もちろん前巻と同じく初邦訳となります。

今回はドゥームを倒した後のラトベリアが舞台になるのですが、ドゥームとの因縁から家族を守るべく悲壮な決意を固めていたリードの誤った判断でベンを死なせてしまい、それを復活させるために天国へと向かいます。現実の社会問題にもリンクした、正直前巻の流れからは予想もできないストーリーで、最後のネタも含めてとても面白かったです。前巻を読まれた方は是非こちらまで読んでいただきたいです(冒頭で前巻のあらすじが紹介されているので、なんなら本巻だけ読んでも楽しめると思います)。ファンタスティック・フォーは邦訳自体が珍しいのでそういう意味でも貴重な作品ですね。

なお、前巻ではゲストとしてドクター・ストレンジが登場しましたが、今回はフューリーが登場します。それから今回もベンおじさんは格好良かったです。また、ドゥームは本作の後、ロード・トゥ・シビルウォーで復活することになるようです。

Civil War: The Road To Civil War

シビルウォーの前日譚となるエピソード群を集めた単行本で、以下のエピソードが収録されています。

  • New Avengers: Illuminati One-Shot
  • Fantastic Four (1997) #536-537
  • Amazing Spider-Man (1999) #529-531

ファンタスティック・フォーは地上に落ちてきたソーのハンマーを巡ってドクター・ドゥームが戦うものの、ドゥームはハンマーを持ち上げられずに去っていくというものです。ここからソーのクローンを作るという話に繋がっていくのでしょうか。一方トニーとピーターは後にシビルウォーの原因となる超人登録法を止めるためにワシントンD.C.アメリカ政府とのディスカッションに臨みます。

イルミナティのワンショットはイルミナティの誕生からハルクの宇宙への追放、そして超人登録法への協力と、これまでのイルミナティの歩みを簡単に振り返りつつシビルウォーに繋がる内容になっています。

こちらはヴィレッジブックスさんから邦訳が出ていたようです。

シビルウォーはタイイン含めて邦訳が展開されていましたが、今から全部集めるのはなかなか大変そうなのでMarvel Unlimitedでコツコツ読んでいこうかと思います。

Amazing Spider-Man: Worldwide Vol. 5 (Amazing Spider-Man (2015-2018))

前巻はクローン・コンスピラシーの前日譚でしたが、こちらに収録されている#20-24はタイインとなっており、ニューU施設でのドクター・オクトパスとの戦い、スパイダーバース後のケインの復活とグウェンとの共闘、ピーターとベン・ライリーとの対話、グウェンとのベンとドクター・オクトパスのその後など、クローン・コンスピラシー本編を補完する重要なエピソードばかりなのでクローン・コンスピラシーを読むのであればこちらも是非併せて読んでおきたいところです。特に#22のピーターとベンのやり取りはクローン・コンスピラシーの最重要シーンと言っても過言ではないと思います。

なお、この単行本にはAmazing Spider-Man: Annual #1も収録されているようです。きちんとは読めていないのですが、内容はクローン・コンスピラシーとは関係ないものでした。

Amazing Spider-Man: Worldwide Vol. 4 (Amazing Spider-Man (2015-2018))

ダン・スロットによるAmazing Spider-Man (2015)シリーズの#16-19およびFree Comic Book Day 2016 (Captain America) #1の一部が収録されている単行本で、クローン・コンスピラシーの前日譚となるエピソード集となっています。

クローン・コンスピラシーの冒頭で葬儀が執り行われているジョン・ジョナ・ジェイムソンSr.が亡くなるまでの経緯、プロウラーのニューUへの潜入、ドクター・オクトパス復活の兆候、フィスクとジャッカルの決裂など、クローン・コンスピラシーに繋がるエピソード群で、クローン・コンスピラシーを読むにあたって必読とまでは言えないものの、併せて読んでおくとより理解が深まると思います。特にフィスクのエピソードは本編だけだと経緯がよくわからなかったのですが、こちらを読んで理解できました。

Amazing Spider-Man (2015-2018)シリーズは単行本が全部で11冊出ており、アレックス・ロスの美しいカバーアートも見どころです。ひとまずクローン・コンスピラシーに関連する本巻と次巻を読んでみているのですが、機会があれば1巻から通して読んでみようと思います。

Silk Vol. 3: The Clone Conspiracy (Silk (2015-2017))

こちらもクローン・コンスピラシーのタイインということで読んでみました。この単行本にはSilk #14-19が収録されているようですが、今回読んだのはクローン・コンスピラシーのタイインとなっているSilk #14-17までです。

本編ではチョイ役だったシルクですが、裏では色々とあったようで、元彼で幽霊のスペクトロとジャッカルによって復活させられたスパイダー・ウーマン(マティー)との活躍が描かれています。スペクトロもジャッカルによって復活させられるのですが、肉体が崩壊してしまっても幽霊として復活するのはズルいですねw シルクのシリーズは今までは読んだことがなかったのでバディが幽霊だったり、主人公も現代風の若者の等身大のキャラクター描写なのは新鮮でした。

個人的にはアートがあまり好みではなかったのですが、線がハッキリしていて読みやすい絵柄です。チラ見した感じ#18-19は別のアーティストの方が担当しているようなのですが、そちらはちょっとオリエンタル風のクセが強くて苦手な感じでした。