アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

Original Sin

ヴィレッジブックスさんから邦訳が出ていたオリジナル・シンですが、残念ながら今のところ入手できず、Marvel Unlimitedで読んでみました。ヴィレッジブックスさんの邦訳はPoint One #1(2012)およびOriginal Sin #0-8(2014)を収録しているようで、おそらく以下の単行本を翻訳したものと思われます。

ライターはジェイソン・アーロン、アートはマイク・デオダートという強力コンビで、ウォッチャーを殺した犯人を探すというストーリーやフューリーの秘密などのアイデアは面白いのですが、キャラクターの行動にいまいち説得力がないケースがあったりなど、尺のせいもあってかご都合的に感じられてしまう部分がやや目立ちました。サスペンス要素が強いので英語で読むのもそこそこ大変でしたが、ヴィレッジブックスさんの邦訳は日本語で読めるのはもちろんですが、解説書も付属していると思われるので、そちらであればもう少し理解しやすかったかもしれません。

大型のクロスオーバーイベントとはいえ異色作の部類と思いますので個人的にはアメコミ初心者に手放しでおすすめできる作品ではないと思うのですが、ストーリーは同じジェイソン・アーロンのソー:ゴッデス・オブ・サンダーに直接繋がりますし、フューリーの跡を継いでマン・オン・ザ・ウォールとなったバッキーや、ウォッチャーの目によって秘密を知った各キャラクターのその後のシリーズにも大きな影響を及ぼしていますので、読んでおくとこの時期の他の作品の理解が深まると思います。

また、各キャラクターが知った秘密についてはタイインで詳細が語られていますので、そちらを追いかけるのも面白いのではないかと思います。