アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

The Unworthy Thor

こちらはレディ・ソーのシリーズの裏側でムジョルニアを失ったオーディンソンの苦悩を描いたリミテッドシリーズで、ライターはジェイソン・アーロン、アートはオリビエ・コワペルが担当しています。

ムジョルニアとは別のハンマー(ウォーハンマー)が存在することを知ったオーディンソンは旧アスガルドへ向かいますが、旧アスガルドはハンマーを狙うコレクターに領域ごと盗まれてしまったのでした。そこでベータ・レイ・ビルと遭遇し、オーディンソンがムジョルニアを失ったことを知ったビルは彼の持つストームブリンガーをソーに差し出そうとするのですがオーディンソンはこの申し出を断ります。その直後、オーディンソンとベータ・レイ・ビルはコレクターに囚われてしまい、コレクターはハンマーを手にする秘密をオーディンソンから聞き出そうとするのですが、ビルの助けによって脱出に成功します(レディ・ソーのシリーズではオーディンソンが突然短髪になりましたが、このタイミングで短髪になっていたんですね)。

一方、トリスケリオンに囚われているサノスの元を正体を格下ヘラが訪れ、サノスのためにハンマーを手に入れる代わりに自分の世界を取り戻す手助けをして欲しいと持ちかけます。ヘラはプロキシマ・ミッドナイトとブラックスワンを連れウォーハンマーを狙ってコレクターとオーディンソンたちとの三つ巴の戦いになり、戦いの最中オーディンソンはついにウォーハンマーを手にする機会を得るのですが、これもまた自分のハンマーではないと手にすることを拒むのでした。ヘラ一味やコレクターを撃退したオーディンソンとビルは旧アスガルドを取り戻すことに成功するのですが、謎の人物がウォーハンマーを手に…というところで終わります。

相変わらずジェイソン・アーロンのストーリーテリングが冴え渡っていますし、オリビエ・コワペルのアートも素晴らしいです。回想シーンはイサド・リビックやラッセル・ドーターマンなど過去のシリーズでその時代を担当したアーティストが担当しているのもシリーズを追いかけている読者にとっては面白いギミックです。また、ソーがハンマーを持てなくなった原因であるオリジナル・シンでフューリーがソーに囁いた言葉も明かされるのですが、それだけでそこまで?と思わなくはないもののw その言葉もこれまでのジェイソン・アーロンのソーのシリーズでの仕込みを活かしたものでした。

サノスやヘラが時系列的にどのあたりに繋がっているのかがちょっとよくわかっていないです…。