アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第27号はこちらも初邦訳となるマイティ・ソー:イン・サーチ・オブ・ゴッズでした。
本作はオンスロート事件でパラレルワールドに転送されていたスーパーヒーローたちが地球に帰還するヒーローズ・リターンシリーズの1つだったようで、地上でのデストロイヤーとの戦闘に敗北してしまったソーが、戦闘に巻き込まれてしまったジェイク・オルソンの死の責任を取り、ジェイクとして復活するというものです。ヒーローズ・リターンシリーズはスーパーヒーローたちの原点回帰を目指していたという通り、ジェイクとして人間の生活を送るという点はドナルド・ブレイクだった頃のソーと被るところがあります。
このシリーズではソーがパラレルワールドから戻ってきた時点でアスガルドは荒廃してしまっており、ソーはその原因を探ることになるのですが、マジェストン・ゼリアというラスボスっぽいキャラクターが登場し、さらにオリンポスも攻撃されていたことが判明するもののオリンポスを統べるゼウスとは協力関係を結べないまま、めちゃくちゃ中途半端なところで終わってしまいます。もちろん続きの邦訳も出ていませんし、洋書の単行本ではアベンジャーズ・ディスアセンブルドで再度リブートされるまでの13冊になるようで、追いかけるのはだいぶしんどそうです…。
そこまで古い作品ではないのですが(1998-2004)、ソーの特殊なキャラクターのせいか、はたまた邦訳の微妙さのせいか、ちょっと読みづらい感じはあります。助けを求めてきたソーにいきなりキレたり、オリンポスから地上に戻ってきたら逆にソーにそっけなくあしらわれたりするハーキュリーズもなかなかシュールでしたw