アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

The Mighty Thor By Matt Fraction Vol. 2 (The Mighty Thor (2011-2012))

Mighty Thor 7-12とFear Itself: Thor 7.2が収録されているようです。Fear Itself: Thor 7.2はフィアー・イットセルフの後日譚エピソードの一部なのですが、ここから本巻のメインであるタナルスのエピソードに繋がります。つまり、時系列的には前巻と本巻の間にフィアー・イットセルフが挟まっているということになります。ただ、カバーしきれていない背景も多く、この巻は全体的にフィアー・イットセルフを読んでいること前提な感じです。

フィアー・イットセルフはヴィレッジブックスさんから邦訳が出ていましたが、もちろん現在は入手困難になってしまっています。ただ、だいぶ先になってしまいますが(2年以上先w)アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクションで二分冊で発売される予定になっています。

シージで崩壊してしまったアスガルドですが、アスガルディアとして再建が始まっています(この再建がトニーがレジリエントで受注した仕事だったんですね)。オーディンに代わってフレイヤ、ガイア、イドゥンという3人のオーディンの妻たちがアスガルディアを治めていたりと色々事情が変わっているのですが、皆ソーの存在を忘れており、タナルスという謎の人物がソーの位置に収まっています。実はこのタナルスはトロールのユーリックで、カルニラが糸を引くトロールによるアスガルディア侵攻の尖兵だったのでした。最終的にロキの活躍でハンマーを取り戻したソーがアスガルディアに帰還し、トロールたちの企みは失敗します。そしてストラジンスキー期以降、長らく扱いが定まらない時期が続いていたケルダですが、本巻で重要な役割を果たした後に命を落とし、ついにヴァルハラでビルとの再会を果たすのでした。しかしこのキャラクターに関してはもう少し活かし方があったのではないかという気がしますね…。

フィアー・イットセルフからのリカバリーという意味ではよいアークだったのではないかと思うのですが、前巻はアートがオリビエ・コワペルだったのですが、今回からパスカル・フェリーに戻ってしまっています。そしてやっぱりどうにも微妙な感じがします…。