アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

Journey Into Mystery/New Mutants: Exiled

Journey Into Mysteryを追いかけているのですが、#637-638はExiledというNew Mutantsとのクロスオーバーだったようです。この単行本には Exiled #1, Journey Into Mystery #637-638, New Mutants (2009) #42-43が収録されています。

太古のアスガルドの戦士シグルドはその昔ボルに使える女戦士たち(ディシールに)手を出したことでボルの怒りを買い逃亡、ボルやディシールの復讐を恐れサンフランシスコに人間として隠れ住んでいたところ隣人であるニューミュータンツに不信がられていることからアスガルドに見つかったと勘違いし、以前のロキが与えたという魔法によって現実を書き換え、シグルドを襲おうとしていたディシールや騒ぎを知り駆けつけたソーやヘラたちは記憶を失い一般市民になってしまいます。

現場に居合わせたニューミュータンツの面々はロキと共に記憶を失ったアスガルド人たちを元に戻そうとする一方、ディシールたちは自らの力で魔法を解きシグルドを襲いますが、こちらも魔法の解けたヘラの力でディシールを制圧することに成功します。ボルがディシールにかけた呪いの真実が明らかになり、呪いを解くためにシグルドがディシールと結婚することになるのですが、ダニがこれに反対し、ディシールと共にボルに戦いを挑みます。追い詰められたボルは仕方なくディシールの呪いを解くのですが、実はこれもロキの作戦だったのでした。

アスガーディアンたちが一般市民になってしまったり、記憶を失っていても相変わらずのロキの振る舞いだったりとコミカルな部分もありますし、ダニがヘラのヴァルキリーだったという設定がうまく活かされていたり、シージ以降要所で重要な役割を果たしていたディシールに思いもよらないバックグラウンドを与えてひとまずの結末(ロキからメフィストに支配権が移っていたディシールですが今度はヘラに仕えることになります)に導いたりと、とても完成度が高く面白いエピソードでした。