アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

X・オブ・ソーズ

X-MEN Vol.1:黎明X-MEN Vol.2:戦雲に続くX-MENの大型イベントでケース入りの上下二冊、全700ページ以上というとんでもないボリュームでの邦訳です。当然お値段もとんでもないことになっていますw

内容は英語版の単行本のレビューを読んで危惧していた通り、中盤までと最終盤はまあ良かったのですが肝心の剣闘大会がほぼギャグみたいな感じで、ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・Xからのシリアスな流れがどうしてこうなってしまったのか…という感じでした。ジョナサン・ヒックマンだからと壮大なSFを期待しているとかなり肩透かしを食らうと思います。アートもちょっと個人的にあまり好みでないアーティストさんが混ざっていたりと若干微妙な感じでした。

なお、本作においてはアポカリプスとアラッコのミュータントたちに加えてキャプテン・ブリテンやキャプテン・ブリテン・コアがかなり重要な役割を果たしているため、付属の解説書でブラドック家とサターナインとの関係を含め詳しく解説されています。このあたりは邦訳コミックが出ておらず、原著を追うのもかなり大変と思われる部分なのでありがたいですね。ただ、タイインの一覧などがあるとMarvel Unlimitedなどで原著を追いやすくなるのでもっと良かったかなと思います。また、翻訳にかなり目立つ誤訳と思われる部分があったのも残念な点です。

気合いの入った大型イベントの翻訳ですが、正直個人的には値段のことも考えると手放しでおすすめはしづらい作品でした。ヒックマンのX-MENシリーズはこの後も邦訳の刊行が続くようなので今後持ち直してくれることを祈るばかりです。

電子書籍では上下巻セットのほか、上巻、下巻のバラ売りもしているようです。