アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

X-MEN Vol.1:黎明

X of Swordsの邦訳が出るとのことなので予習を兼ねてMarvel Unlimitedで読んでいたのですが、ジョナサン・ヒックマンだけあって英語で読むのが厳しすぎる!ということでKindleで日本語版を購入して読んでみました。

ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X後の新章で、X-MEN(2019) #1-6が収録されています。クラコア樹立後のストーリーなのですが、ヒックマンらしく本巻では場面も時間も並行して様々な伏線を蒔くのに終始しており、セリフ回しなども含めてなかなか難解です。ヒックマンのこれまでの実績から伏線回収時のカタルシスはわかっていますし、各国との軋轢がありつつ内部も一枚岩ではなさそうなクラコア陣営やアラッコがどうストーリーに絡んでくるかなど、この先どうなるんだろうという期待感もあるのですが、X of Swordsの概要やAmazonでのレビューを見ると若干先行きが不安にならなくもないです。

内容的にハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・Xを読んでいないと意味がさっぱりわからなそうな部分が結構あります。例によって邦訳独自の解説も付属しますが関連シリーズのあらすじ紹介はありがたいものの、前提知識については全然カバーしきれていないので、ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・Xは必読で、そういう意味でも敷居の高いシリーズですね。ヒックマンの壮大なストーリーテリングは個人的には嫌いではないのですが、かなり長期間追い続けないと回収されない伏線があったりなど、ちょっと読むのに疲れてしまうところがあり、ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・Xのように短期間で完結するシリーズの方が嬉しいなぁと思ってしまったりもします。

しかしX of Swordsは内容の不安感もさることながら、ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・Xでも5000円台だったのに9000円近い価格、2分冊700ページ超の特大ボリュームということで、物理的な見た目も気になるところです…。

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