アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

マーベル グラフィックノベル・コレクション(29) アイアンマン:デーモン・イン・ア・ボトル

アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第29号はアイアンマンの名作エピソードとして名高いデーモン・イン・ア・ボトルでした。

デーモン・イン・ア・ボトルはトニーとアルコール依存との戦いを描くエピソードで、このアシェット版が初邦訳でしたが、その後に小プロさんから発売されたベスト・オブ・アイアンマンに最後の1話(Iron Man #128)だけ収録されています。ただ、このアシェット版では#120〜#128が収録されており、トニーがアイアンマンとして活躍しつつ、アルコールへの依存を強めていく様子が描かれています。

クラシカルな作品ならではの力強さやテンポの良さもあり、アイアンマンの誕生を振り返る回想シーンがあったり、ベサニーやローディ、ジャスティン・ハマーなど後年のシリーズでも重要な役割を果たすキャラクターたちも登場するなどなかなか盛り沢山の内容になっています。最終決戦がヴィランではなくアルコール依存に苦しむ自分との戦いというストーリーは今読んでも衝撃的ですし、アルコール依存はその後もトニーの重要な要素の1つになっていきます。

古い作品ですが、アイアンマンを語る上での重要エピソードの1つですのでマーベル グラフィックノベル・コレクションの中でも是非押さえておきたい一冊です。