アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

Invincible Iron Man (2008-2012): World's Most Wanted

Invincible Iron Man (2008-2012): The Five Nightmaresの続編ですが、こちらはシークレット・インベージョン後の話になっており、S.H.I.E.L.D.を追われたトニーが機密情報を守るためにH.A.M.M.E.R.率いるオズボーンからの逃避行を続ける、というストーリーです。全12話で単行本でも2巻に渡る大作ですが、内容も素晴らしいものでした。

逃避行の最中、トニーは徐々に知能を失っていくのですが、12話という長丁場はその過程を描くのにとても効果的で、知能の喪失と共に複雑なアーマーを操作できなくなっていき最終的に全ての始まりであるマーク0に辿り着くというのもよくできた展開です。ただ、自身の記憶を抹消するためであれば火山に飛び込めばいいのでは?というクリムゾン・ダイナモの質問に関しては返答できなかったりともう一歩という感じはありますw

マリア・ヒルとペッパー・ポッツもトニーに協力するのですが、トニーの本命はペッパー・ポッツにも関わらず、なんだかんだでマリアともいい関係に…。2人とも大活躍しますが、特にレスキュー・アーマーを手に入れたペッパー・ポッツの活躍が光りますね。特にマダム・マスクとの対決とその後のマリアとナターシャ救出劇は痺れました。クリムゾン・ダイナモのアーマーにマダム・マスクを閉じ込めていたのはちょっとアレですが…。レスキュー・アーマーのデザインはMCUで登場したものと随分違いますが、J.A.R.V.I.S.もコミックではこのレスキュー・アーマーに搭載されたのが初登場だったようです。

最終的にトニーは機密を守ることに成功し、かつギリギリのところで生き延びるものの昏睡状態となってしまったところで終了し、Invincible Iron Man (2008-2012): Stark Disassembledへと続きます。マリアが回収してキャップ(バッキー)に渡せと言われていたドライブは結局なんだったのかなど回収されていない伏線もありますし、この後シージにどう繋がっていくのかも気になるのでこれは続きも読まざるを得ないですね。