アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第41号はキャプテン・アメリカ&ファルコン:シークレット・エンパイアでした。近年のクロスオーバーであるシークレット・エンパイアとは別物で、スティーブ・ロジャースがアメリカの正義に絶望してキャプテン・アメリカを辞めてしまうという衝撃的な結末のエピソードです。
クラシックな作品ですので例によってだいぶ強引な部分はありますが、シークレット・エンパイアの陰謀によってキャプテン・アメリカが社会から敵視されてしまい、さらに後半になるとそれすらアメリカを乗っ取る壮大な計画のための仕込みであったことが判明し、最後は黒幕が判明することでスティーブがキャプテン・アメリカを辞める決断をするというストーリーは、巻頭の解説によると暗い事件が続いていた当時のアメリカの状況を表していた面もあるようで、社会派であるキャプテン・アメリカならではの作品です。また、ファルコンがブラックパンサーの協力で飛行能力を得るくだりや、X-MENとの共闘などコミックとしての見どころも多いです。
有名なエピソードですが、今回が初邦訳のようなのでクラシックなアメコミファンの方は必読の一冊ではないでしょうか。