アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

Thor: Siege Aftermath (Thor (2007-2011))

シージ後のThe Fine Printというアークを収録している単行本です。Thor #611-614の4話ですが、ページ数の関係かクラシックなThor #179-181も収録されているようです。

Siege Aftermathというタイトルの通り、本作のストーリーは密接にシージと絡んでおりかなりややこしいのですが、元はSiege: Lokiで描かれたロキが仕組んだメフィストとヘラの取引(ロキがメフィストにディシールという強力な戦士たちを一時的に与える代わりにメフィストの領地をヘラに分け与えるというもの)に端を発しています。ディシールたちは元々ボルに従属するバルキリーだったのですが、神の肉を食べるという罪を犯してボルに追放され神々の魂しか食べることができないという呪いをかけられてしまったようです。

シージ後、ヘラは犠牲になったアスガルド人を地獄の自分の領地に受け入れたのですが、このアスガルド人たちの魂を狙ってディシールたちがヘラの領地に攻撃を仕掛け、ヘラはロキから事前に対策として受け取っていたエイル・グラムという剣で戦いを挑みむものの剣を奪われ進退極まりソーたちに助けを求めます。ソーとティールの2人がヘラの救援に向かい、ティールがヘラを守る一方、ソーはエイル・グラムを取り返しにメフィストの元へと向かいます。なんとかエイル・グラムを取り戻し、ディシールを撃退することに成功するのでした。

Siege: Lokiはシージのストーリーには直接関係ないと思っていたのですが、めちゃくちゃ重要エピソードでしたね(後から気づいたのですがライターも同じキーロン・ギレンだったのでなるほどという感じです)。

Siege: Lokiでロキがディシールを従わせるシーンやエイル・グラムの出自など、若干ムリヤリ感はあるものの)ラトベリア移住編のエピソードもうまく活かされていました。その分ストーリーの絡みが複雑だったりロキの意図がわかりづらく英語で読むのはちょっと大変でした。しかしケルダのキャラが安定しないですね…。最後はあんなことになってしまうのですが…。