アメコミ読書ブログ

主にマーベルコミックについて、邦訳から原書まで、読んだものを紹介します。

シビル・ウォーⅡ

これはヴィレッジブックスさんが出版事業からの撤退を発表する直前に購入していたものです。その後もしばらくシビル・ウォーⅡは比較的入手しやすい状態が続いていたのですが、現在では新品は入手困難になってしまっているようです。買える時に買っておいてよかったです。

今回は未来予知のできるインヒューマン、ユリシーズの扱いを巡ってトニーとキャロルの陣営に分かれての内戦で、前回のシビル・ウォーではその後キャプテン・アメリカの暗殺へと繋がってしまいましたが今回も何名かの主要キャラクターの離脱、シークレットエンパイアへの伏線となる予知など今後の展開に大きく影響する終わり方になっています。シヴィル・ウォーの続編と紹介されることが多いですが、時系列的にはシークレット・ウォーズの後なんですね。

しかしよく言われているように前作と比べると今回は対立の動機が弱い感じがします。どちらにも正義があるというより、トニーの正論に対してキャロルが意地になって引けなくなっているだけに見えてしまうのですが、このあたりはテーマは同じでも描き方次第でもう少し印象が変わったかもという気もします。タイインも読むと印象が変わったりするのかもしれませんが、残念ながら前作と違って今回はタイインの邦訳は出ていないので、読むならMarvel Unlimitedでしょうか。

アートは主にデビッド・マルケスが担当しているのですが、とても見やすく各キャラクターもとても魅力的に描かれています。冒頭のオリビエ・コワペルやジム・チェンのパートともさほど違和感ないです。作品としての評価は前作ほど高くないようですが、個人的にはMCUからアメコミに興味を持った方が最初に読む一冊としてはかなりおすすめできるのではないかと思います。