アシェットのマーベル グラフィックノベル・コレクション第75号は第17号で発売されたニューX-MEN:E・イズ・フォー・エクステンクションの続編となるニューX-MEN:インペリアルでした。なんと約2年2ヶ月ぶりの続編です。
前作でジェノーシャでミュータントを虐殺したカサンドラ・ノヴァを倒した後、休暇を取ってリサンドラと共にシーア帝国に向かったプロフェッサーXでしたが、実はその精神はカサンドラ・ノヴァに支配されておりシーア帝国の力を利用してミュータントを根絶しようとします。一方プロフェッサーXがミュータントであることを世間に公表したことで迫害を受けるX-MENはジョン・サブライムのU-MENの攻撃を退けつつカサンドラ・ノヴァの体にプロフェッサーXの精神が閉じ込められていることに気付きます。迫り来るシーア帝国の刺客とプロフェッサーXの体を操るカサンドラ・ノヴァとの決戦の行方は…という壮大なストーリーが展開されます。
4エピソードだけだったので結構薄手だった前作と比べると今回はかなりボリュームがあります。また、前作はフランク・クワイトリーのアートでしたが、今作はクワイトリーに加えてアイガー・コーディ、イーサン・ヴァン・スカイバー(スカイバーは前作でも最後の1話を担当していたようです)も担当しています。
一応冒頭でこれまでのあらすじがカバーされているので前作を読んでいなくても読むことはできそうですが、X-MENたちがウィルスに感染したり、ジョン・サブライムが唐突に登場したりと前作を読んでいてもちょっと理解が難しいところがあります。
また、ストーリーが難しいのもあるのですが、読んでいてストレスが溜まるこの感覚はもしや…と思ったらやはりマーベル グラフィックノベル・コレクションシリーズで低クオリティの翻訳を連発されているあの方でした(前作でも翻訳が微妙でわかりにくいという感想を書いていましたが、今回はストーリーが複雑なせいかさらにわかりづらく感じます)。言葉は悪いのですが、これではせっかくの名作が台無しではないかなと思いますね…。貴重な邦訳ですが、手放しではオススメしづらいところがあります。